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ひとり一人の「宝石の物語」に新しい風を吹き込んで紡ぐ~歴史に残るジュエリー創りの「BIOZU(ビオズ)」

  • 執筆者の写真: 狛江駅前親栄会 運営事務局
    狛江駅前親栄会 運営事務局
  • 4月17日
  • 読了時間: 6分

更新日:4月29日


狛江駅南口から徒歩数分、世田谷通り手前の住宅街の小径に、ひっそりと看板を掲げる「BIOZU(ビオズ)」。2005年に創業し、ジュエリーの加工・販売・修理を通じて、地域の人々の「宝石の物語」を紡ぎ続けているオーナーの今村さんに、お話を伺いました。

狛江駅南口から徒歩数分、世田谷通り手前の住宅街の小径に、ひっそりと看板を掲げる「BIOZU(ビオズ)」。2005年に創業し、ジュエリーの加工・販売・修理・ワークショップを通じて、地域の人々の「宝石の物語」を紡ぎ続けているオーナーの今村さんに、お話を伺いました。



物作りの DNA が導いた、ジュエリーの世界への道


翡翠のペンダントヘッドのリペアをするbiosの今村さん。
翡翠のペンダントヘッドのリペアをする今村さん。使用している機器は歯医者さんの精密機械と同じものだそう


今村さんの物作りの原点は、子供の頃にさかのぼります。


時計のバンドを製造する会社を営んでいた父親の工場が、幼い今村さんの「遊び場」でした。「物作りは昔から好きで、よくプラモデルを作っていました。工場で工具に触れていたので、マイクロメーターやノギスなどを使って幼少期はよく遊んでいました」と今村さんは笑顔で語ります。


大学では経済経営を学びましたが、卒業後は貴金属関係の会社に就職。その後、ジュエリーの師匠と出会い、創作やリペアの技術だけでなく感性も磨きました。


「専門学校に行くよりも、まずは表参道で人を見てどんなアクセサリーをつけているか観察しなさい」というのが師匠の教えだったそう。原宿などで、通りを歩く人がどのようなアクセサリーを身に着けているかを観察していたこともあったといいます。そこでの学びは、今も今村さんの創作の根幹にあるといいます。


その後、転職をした頃、なぜだか「日本で2番目に小さな市」という狛江に不思議と心引かれ、移住を決意。さらに、デザイン力を磨くべくデザイナーの会社へ転職しました。


転職後、日中には自分のリペアや創作に時間が取れず、夜や休日に自宅で作業を続ける日々が続きました。


そんな中、作業中の音が漏れ、「アクセサリーを作っているの?」と声をかけられることが増え、それをきっかけに徐々に地域の方々からの依頼が増加していったそうです。


やがて、師匠にもその旨を相談したところ、「そろそろ独立してもいいのでは」と背中を押される形となり、狛江の地でBIOZUを開業しました。


そんな経緯で開業に至ったBIOZUの店内には、今村さんがデザインしたオリジナルジュエリーが並び、一つひとつの個性が光っています。


バロックパールと呼ばれる独特な形の真珠や、葉っぱをモチーフにした緑豊かな作品など、他では見られない魅力的なジュエリーが並んでいて、美術館で作品を見ているような気分になります。




ワークショップは、記憶に残るジュエリーを作る喜びの時間



BIOZUでは月に1回、少人数制のジュエリー作りワークショップも開催しています。    ロウを削り、デザインを考え、指輪などのジュエリーを自分の手で作る、本格的なジュエリー制作体験ができるもので、1回で作りきるというより、内容に応じて数回に分けて実施したりすることもあるそうです。
ワークショップで使うグッズの一例。円筒のロウを削って形どり、地金を流し込んで作っていくそうです♪


BIOZUでは月に1回、少人数制のジュエリー作りワークショップも開催しています。


デザインを考え、ロウを削り、指輪などのジュエリーを自分の手で作る、という本格的なジュエリー制作体験ができるのだそう。1回で作りきるというより、内容に応じて数回に分けて実施したりすることもあるといいます。


「自分とは違う発想のものがお客さんや生徒さんの意見で生まれるのが面白い」と目を輝かせる今村さん。


雑誌などで見たデザインをベースに、自分だけのジュエリーを作りたいと来店するお客様も少なくありません。


「大量生産の商品とは違い、手作りのジュエリーは左右が少し異なる味わいがあります。それが人を惹きつける魅力にもなるんですよ」


ワークショップは通常3〜4回程度の参加で一つの作品が完成します。


「ガチで作るというより、楽しみながら作る教室です。おしゃべりも楽しみの一つになっています」と笑顔で語る今村さん。専門学校とは異なり、一般的な教科書だけでなく、現場で培った独自の技術も伝授しているそうです。



ジュエリーに込められた思いを代弁し、新たな命を吹き込む





「ジュエリーは身に着けてこそ本来の美しさが映えるもの」と語る今村さんですが、最近では、20年前にBIOZUで祖母が作ったというジュエリーを持ち込む若い方の来店が増えてきたそうです。


「おばあちゃんが『このお店で作った』と教えてくれたので、私のサイズに直してほしい」といった世代を超えての依頼が嬉しいと、今村さん。


おばあちゃんから親へ、そして子供に。海外では、ジュエリーはそんな風に受け継がれることが多いのだそうです。


また、ある時お客様がおばあちゃんから受け継いだ指輪を持ってきた時のエピソードも印象的。


お直しをしたいと持参した指輪をルーペで見てみると、指輪のサイドに「馬蹄」をあしらったデザインでした。


「これは手作りですね。この部分は崩さないほうがいい」とアドバイスし、完全なリフォームではなく、指輪をペンダントに作り替えることを提案したところ、おばあちゃんが喜んでくれたそうです。


機械的に依頼を受けてその通りにやるというのではなく、ジュエリーに込められた思いを代弁し、大切にしながら、お客様のご希望を今の時代にあわせたかたちでお直しをして対応する。


それが今村さんのリペアが愛され続ける理由です。



世代を超えて受け継がれる、歴史に残る「宝石の物語」


3Dプリンタを使ってデザインした指輪。最新技術を取り入れながら、創作意欲が尽きることはない狛江にあるジュエリーリペアやワークショップのBIOZ
3Dプリンタを使ってデザインした指輪。最新技術を取り入れながら、創作意欲が尽きることはない



今村さんは「その宝石を見ると当時の思い出が蘇る、ご先祖様が見守っていただける、そんな歴史に残るようなジュエリーを作りたい」と語ります。


ジュエリー作りには、お客様の「想い」が込められています。そして、それが次の世代へと引き継がれていくことで、家族の歴史の一部となっていきます。


量産品と違い、BIOZUで作るジュエリーは一つひとつに物語があります。「私もこれを作っていた時は大変だったけど頑張ったな」と、作ったときの思い出も宝石に刻まれていくのです。


BIOZUでは、創作だけでなく、リペアサービスも充実しており、イヤリングからピアスへの変更、クリーニングなど、ライフスタイルに合わせて対応してもらえるのも魅力なところ。


最近では3Dプリンタを活用して指輪やペンダントトップなども創作しているといいます。


このように、BIOZUは、「宝石の物語」を紡ぐ手助けをしたいと考えているお店。

世代を超えて受け継がれる宝物に、新たな命を吹き込む場所として、これからも地域に根差したジュエリーショップであり続けるでしょう。




店舗情報


狛江駅南口から徒歩数分、世田谷通り手前の住宅街の小径に、ひっそりと看板を掲げる「BIOZU(ビオズ)」。2005年に創業し、ジュエリーの加工・販売・修理・ワークショップを行っている
エントランスは、ヨーロッパの小径に迷い込んだかのような世界観で、通りすがりで気になっている人も多いはず


店名: BIOZU

住所: 狛江市東和泉1-32-5

営業時間: 11:00~18:00(13:00~14:00ランチ休憩)

アクセス: 狛江駅南口より徒歩4~5分。

南口バスターミナル近くのきらぼし銀行を曲がり、世田谷通り手前の住宅街の小径にあります。

定休日: 月曜日、火曜日、祝日

電話番号: 03(3488)8505

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